web連載のお知らせ

6年ほど前に廃刊になったアダルト雑誌『S&Mスナイパー』のweb版WEBスナイパー(18禁ですが紙媒体の方と同じくさまざまな読み物、コラムが充実)で、連載エッセイ「あなたたちはあちら、わたしはこちら」が始まります。
中年(以上の)女性の登場する映画について書きます。ポイントは「中年(以上の)女性」です!(とりあえずSMは関係ありません)


若い女や男が活躍する映画は多い。中年男も頑張っている。それに比べて、おばさんがヒロインの映画は少ないし地味。‥‥と言うと、『グロリア』(ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演、1980)という傑作があるじゃないかという声が聞こえてきそうですが、あれはまあ別格でしょう。
そこまでカッコ良くはないけれども、若さや若さゆえの美しさという勝負の舞台から退いた女が、主役脇役問わず、その振る舞いや存在感によって、生きていくことの苦みや面白さを教えてくれるような映画を取り上げていきたいと思っています。50代半ばにさしかかった私ですが、映画に描かれた年期の入った女の人生から学ぶところは尽きません。


基本的にネタばれには配慮していない文章ですが、読んでから観ても十分面白い映画を紹介する予定です。第一回は、2008年のアルゼンチン映画、ゴンサロ・カルサーダ監督の『ルイーサ』。*1

ルイーサ [DVD]

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DVDジャケットから受ける印象と実際の映画とは、ちょっと違います。こういう、転んでも只では起きない大阪のオバチャンみたいな底抜けに明るいバイタリティ‥‥っていうイメージではないのです。ルイーサもある意味、グロリアに劣らずハードボイルドとは言えるかもしれませんが。


毎回の表紙となるイラストは、自分で描いています。当初どなたかイラストレーターの方に依頼するという話を聞き、ふと「それ、私が描いてもいいですか?」と尋ねてみまして、思いがけず実現しました。
イラストのメインは、その回に取り上げた映画の女優の顔(役の顔)。色鉛筆と鉛筆で、皺や細かい陰影も心を込めて描いています。顔描くの大好きだからすんごく楽しい! クリックすると大きい画像になり、細部がよくご覧になれます。テキストと合わせてお楽しみ下さい。
更新は月末です。ここでお知らせしていく予定。どうぞよろしくお願い致します。

*1:この映画を最初に取り上げ、その中に出てくる台詞を連載全体のタイトルにしたのは、この一年の間に自分に起こったさまざまな別れ(ペットから父まで)の体験が影響していると思う。