今月17日(土)、静岡でトークセッションに参加します。静岡県芸術祭の関連イベントです(なんか最近、静岡づいています)。
以下は、チラシ文面の書き起こし。
第56回静岡県芸術祭 ふじのくに芸術祭2016
大野左紀子 × 大岡淳 トークセッション
「誰でも表現者」って本当にステキなこと?
––––高大接続改革と表現教育––––
時:2016年12月17日(土)13:30〜15:30
所:静岡県立美術館 講堂
入場無料・予約不要
2020年度から国公立大学の入学試験が、暗記中心の試験ではなく、受験生の思考力・判断力・表現力を問う試験に、ガラルと様変わりします。これが単に大学受験のスタイルを変えるだけでなく、大学と高等学校の教育方法を転換させ、中学校や小学校にまで影響を与える、日本の教育システムの大改革の一環であり、これに対応すべく、既にアクティブ・ラーニングの導入が積極的に推進されています。
このような、生徒ひとりひとりの主体性を尊重する「高大接続システム改革」に伴い、芸術的な実技を身につけている受験生は、チャンスに恵まれるかもしれません。今や技術革新のおかげで、デジタルな媒体を用いた表現活動は誰でも手軽にできますから、若者にとっては、表現力なくして生き抜くのは難しい時代になったとすら言えるでしょう。ただしそれは、企業好みの「個性」を演じてみせる、「就活」的なプレゼンテーション能力が普遍化するということかもしれません。いったい、日本社会はこれから何処へ向かうのでしょうか?
『アーティスト症候群』(河出文庫)で、誰もがアーティストを気取ってしまう風潮を痛快にえぐり出した、文筆家の大野左紀子さんをゲストに迎え、教育現場に演劇ワークショップを導入する試みを続けてきた演出家である、私・大岡淳との対談という形式で、2020年以降を見据えた、表現教育の可能性や危険性について考えます。
大岡淳(ふじのくに芸術祭企画委員)
主催:静岡県、静岡県文化協会、静岡県教育委員会
後援‥朝日新聞静岡総局、産経新聞社静岡支局、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社、日本経済新聞社静岡支局、毎日新聞静岡支局、共同通信社静岡支局、時事通信社静岡支局、NHK静岡放送局、テレビ静岡、静岡朝日テレビ、静岡第一テレビ、K - mix(順不同)
大岡淳さんの問題提起に乗っかった上で、被承認欲を刺激し続ける社会と、「自由と個性」を旨とした美術教育の陥穽などについてお話できればと思います(このあたりは『アーティスト症候群』のテーマではありましたが、『アート・ヒステリー』(河出書房新社)で学校教育を絡めてより具体的に論じています)。
お近くの方は、どうぞよろしくお願い致します。
●静岡県/ふじのくに芸術祭2016(第56回静岡県芸術祭):静岡で半世紀以上も前から芸術祭をやっていたとは知りませんでした。
●静岡県立美術館:すごく面白そうな企画展やってる!
●付記
大岡さんには前にあるトークセッションに呼んで頂いたご縁があります。その時の模様はこちら→プロとアマ、場所とお金と人の話‥‥月見の里学遊館のシンポジウム