「シネマの男」第八回は、夏の終わりに見たくなる『スタンド・バイ・ミー』

「シネマの男 父なき時代のファーザーシップ」第八回は、『スタンド・バイ・ミー』(ロブ・ライナー監督、1986)を取り上げています。
閉塞的な町で、父親があまり機能していない家庭の少年たち。四人の中でひとり健気な父性を発揮するクリス・チェンバース(リヴァー・フェニックス)にフォーカスしました。

 

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年長の不良少年たちも含めて皆「バカな男の子たち」なんですよね。実際やってることも馬鹿げてる。
疎外された退屈な日常を送っている少年たちを捉えるのは、「死体を見つけて有名になりたい」という、アホじゃないかと思うような欲望。安易なところも含めて、痛々しさと滑稽さが滲んでいます。

 

でもその中で次第に、彼らの背景や悩みが見えてきて、それはそれで切実だったりする。そして、その夏の無謀な冒険と友情が、二度と巡り合うことのない本当に貴重なものだったと、ずーっと後で思えてくる。
そういう意味で、まあ年寄りのための映画ですね(笑)。何度も見ていますが、歳を取れば取るほどこの作品の、キラキラした面だけではないダークサイドも見えてきて、味わい深いです。

 

いつも似ているようで微妙に似てないイラストですが、今回は親友の息子さん(お父さんがフランス人)の少年時代にそっくりになってしまいました。
たぶん、頭部の上半分と下半分のバランスが微妙に違います。輪郭的に言うとあと1ミリくらい頭回りが大きい(後で気づいた)。
デッサン形式の絵、ほんとちょっとしたズレで別人になるんですよねぇ‥‥。

 

次回は、ウディ・ハレルソンブリー・ラーソンが共演した『ガラスの城の約束』(デスティン・ダニエル・クレットン監督、2017)を取り上げます。ずっと父と息子のドラマが続いたので、今度は父と娘です。公開は9月17日(土)p.m.6:00。どうぞお楽しみに。