きもの

きもののボンデージ性とは

週一平均できものを着始めて2年と9ヶ月。きものの持つ拘束感にはまっている大野です、こんばんは。 ボンデージ(拘束)のコスチュームはいろいろありますが、全身を締め付ける特殊なものを除くと、基本的に洋装下着が原型になっていますよね。ブラジャー、…

下駄の季節

昭和30年代後半から40年代が私の子ども時代で、当時、普段履きに下駄を履いている人がまだ普通にいた。きものや浴衣だけでなく、洋服の普段着に下駄を履く。 家の玄関の上り框にはいつも、父の大きくて四角い朴歯の下駄があった。子どもの頃から下駄を履き慣…

58歳の礼装デビュー、そのホラーでコメディな舞台裏

先週、名古屋市市庁舎で名古屋市芸術賞の授賞式があった。 お祝い下さった皆さま、改めてありがとうございました。 ここではその式の模様ではなく、その前に「何を着ていくか」でドタバタした話を。 美容師の親友に受賞を報告した時、「受賞式ではきもの着な…

きものとジェンダー論

去年の秋からこの1月にかけては、機会を見つけてそれまでになくよくきものを着た。きもの歴はやっと二年。 先日は亡くなった義母から譲り受けた江戸小紋を着て、久しぶりにあるギャラリーのオープニングに行った。人が多く、皆お喋りしているので、旧知の人…

きものの衣替えルールに囚われたくない

今朝、こんなtwitterを見た。 最近、わりと真剣に思うのだけど、着物業界はそろそろ新しい衣替え基準を作って周知したほうがいい。九月に入り、旧来の慣習ではすでに浴衣はNG、着物は秋単衣だけど、今のお彼岸までの気温は昔の盛夏をしのぐ勢いなのだから、…

犬の帯

急性気管支炎をこじらせつつ仕事に追われ怒濤のように過ぎていった一月が終わって、気づいたら57歳になっていた。 特別の感慨もないが、例年になく大変だった一ヶ月を乗り切った祝いに、自分に帯をプレゼントした。犬の図柄に一目惚れ。 57歳にもなってこん…

きものと頭痛

きものを買い過ぎてお金がなくなり頭が痛い、という話ではないです。涼しくなってきものを着やすい季節になってきたのは嬉しいが、頭痛に悩まされているという日常雑記。 昨秋、偏頭痛と肩凝りが酷くなり、神経内科で頸椎の椎間板ヘルニアと診断されたので、…

きもの男子

久しぶりに行った仕事先の名古屋芸大で、きものを着ている男子を見かけた。 (駐車場から出る時にちらっと見ただけなので、足元はよく覚えてない。‥‥あ、皮は革と書くべきでした) 数年前も、いつもきものを着ている男子を、美術・デザイン学部の方で時々見…

きものを「貴族の文化」にしたのは何か

英国人の日本文化論が「正しすぎる」「ぐぅの音も出ない」と話題に - with news(ウィズニュース) タイトルがちょっと煽り過ぎというか大袈裟に感じるが、小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長という日本文化に詳しいイギリス人が、きものの価格の…

楽しいキモノ地獄

この一ヶ月余り、私のはてなブックマークの数はぐっと減っていた。以前はほとんど毎日していたのが数日に一回、それも少しだけ。ネットをやっていないのかというと、やっていた。毎日毎日3時間以上、キモノ中古市場に釘付けになっていた。 とうとう‥‥という…

彷徨う着物

6月末に他界した義母の大量の着物を、一ヶ月後に形見分けした話を以前書いた。 形見分け 最初、そんなに早く整理しなくても、少しずつゆっくりやっていけばいいのに‥‥とは思った。しかし義父はその時、一刻も早く義母の持ち物を片付けたがっており、私が衣…

形見分け

「形見分け」というと思い浮ぶのは、小津安二郎監督『東京物語』の有名なシーンである。 年老いた母の葬儀が終わって、家族が食事をしている。長男と共に東京から来た長女志げが突然、実家暮らしの次女京子に形見分けの話を振る。 「ねえ京子、お母さんの夏…