id:tomo-moonさんに反応

「取扱説明書ネタ」にまじになっちゃってる人ってなんなの? -月がでたでた月がでた


あんなのネタじゃん芸のうちじゃんまじになっちゃってる大野さんて変、と言われております(名前は出てこないが、私の記事に疑問を投じる人のブクマコメの引用が冒頭にあるので、たぶん私"も"指しているのだろうとクリリンしておくよ! ツイッターでこんなこと言ってる(後日プロテクトされました)けどさ!)
>これ以上書くとガチで喧嘩売っちゃう流れになりそうだからこの辺で止めとこw
‥‥‥あ?  こっちは喧嘩上等なんだが。


嘘じゃよ!^^ ちょっと言ってみただけじゃ。
まあでも言及された(と思っている)ので、ガチに反応してみますね(記事にリンクくらいしておきなされ)。

「自分で自分の取扱説明書を書く」なんて、そら変な行為だし、見方によっちゃキモい行為。
でも、それは敢えて第三者が指摘する必要があるようなもんでもなく、ただ「そのある種のキモさをパワーにネタ化させている」だけのこと。プロ芸人の「ネタ」も、ほとんどがこの原理をもとに作られてるものではないか。どこに出しても恥ずかしくもキモくもない要素でしか構成されてない「ネタ」なんてつまらなさすぎる。

人や人の集団について「取扱説明書」を書く時点で、それがネタっぽいふるまいだということは、読む人にはある程度了解済みだと思う。ネタっぽい体裁を取りながら、その中に本音やスタンスを紛れ込ませるという、時々見かけるスタイルだ(やり方の好みの問題や、「芸」として面白いかどうかの判断は、個々にあるだろうけど)。
簡単に言えば、私は一連の「理系女子取扱説明書」記事を、ネタ形式をとった8割方ベタな本音と捉えた。「小数派の理系女子としてこれを言いたい、知ってほしい」という個人的欲求が、それぞれの人には普通にあったと思うし、そういうものはそれなりに伝わってきた。
だからあれだけの人が(ネタ・リテラシーを発揮した上でも)、その本音やスタンスに反応したんでしょう、tomo-moonさんも含めて。
はてなブックマーク>理系の女の子の取扱説明書 -毛の生えたようなもの
はてなブックマーク>理系女子取扱い説明書 -Say::So?
書いた理系女子の人も「ネタなのにまじ反応、みんなおかしいよ」とは言わず、「共感した」の声は素直に受け取っていたと思う。ブログ閉鎖されたので読めないが、b_say_soさんはブコメに律儀なお返事を書いていた。


共感して、「「文化系女子」は趣味の領域、「理系女子」は生き方まで踏み込んだ領域」(一部の文化系女子が怒るぞ)とまで言っていた人が、他人が「取説」に焦点をあてて別の角度から書いたら「「取扱説明書ネタ」にまじになっちゃってる人ってなんなの?」と言うのは何か変じゃよ? 
「取説形式=ネタ」とした上で浮上するだろう、それを採用して共感される立場とそうでない立場の違い(草さんの言った(男女の)非対称性)について書いとるんじゃよ? 
そのためには「自己言及的取扱説明書の使用」について、ネタであろうが何であろうが、性差を前提として考えてみるのは理路として必然じゃろ。


tomo-moonさんの言うような「ある種のキモさをパワーにネタ化させている」とまでの企みを、書いた本人達が格別意識していたようには、私には見えなかった。共感を示した人々がそれを感じ取っていたようにも見えなかった。もうちょっと素朴な共感の輪ができている感じがした(これが非モテ男子だったら、「ある種のキモさをパワーにネタ化」はありうるかもしれないが)。

それに正しくは「自分の取扱説明書」でもなく、「自分のカテゴリについての取扱説明書」。すでにそのカテゴリ内にいる「自分」が、敢えて第三者的な視点で「カテゴリを分析して画を描く行為」。

「カテゴリを分析して」というより、「カテゴリ内にいる自分達を分析」だと思うが、いずれにしても「取扱説明書」はポーズとして採用されている。ポーズは文章テクニックの一つだから、それが問題だと言っているのではない。
「自分のカテゴリについての取扱説明書」というポーズで、「自分の取扱い説明書」を書いている感触を感じた人は私だけではないと思う。gomi-boxさんの記事のコメ欄にはそういう意見が複数あったし、b_say_soさんは最初から記事でそう書いていたはずだ。
しかしカテゴリ前提の自分語りが、同じ理系女子だけでなく文系女子からも共感されたのは、理文関係なく「女子として共感できるところ」があったからだろう。それに対して私は12日の記事の最後で、一つの理解の仕方を示している。

まじになっちゃってる人は余程行間が読めないのか、「芸」についての観念があまりにも自分とかけ離れているのか。別に喧嘩を売りたいわけでも嫌味言いたいわけでもなく、純粋に不思議に思った。
その中には行間を読む能力なんてそれこそバッチリだろうなって人もいたし、って、そもそもワタシもid:yumizouさんのブコメを読むまでモヤモヤした違和感の理由がはっきりわからなかったんだからエラそうなことは言えないか。まだ気づいてない人もいるのでしょう。それと、「女カテゴリ」だと途端に色眼鏡掛けちゃう思考回路の人か。

あれらの記事を、「ある種のキモさをパワーにネタ化させている」「芸」にしてしまう方が「不思議」なんだけども。
「芸」なんだからまじにならず笑って見ておけばいいじゃんと言うのなら、以前Ohnoblogで書いた「ファックコミュニケーション」についての記事のコメントで、tomo-moonさんが「芸として成り立ってないものは出してほしくない云々」(あー引用したいが今元ブログが壊れててできないの、ごめんね)と書いたこととの関連はどうなるのだろう。あっちは芸になってなくて、こっちは芸?
それは個人の判断だから措いておくとしても、理系女子取説(特にgomi-boxさんの記事)を単に「芸」として楽しもうとしても楽しめなかった人はコメント欄にもブクマページにも散見できるのだが、彼らは「行間を読めないのか、「芸」についての観念があまりにも」tomo-moonさんと「かけ離れている」人、「ある種のキモさをパワーにネタ化させている」「芸」に過ぎないことに「まだ気づいてない人」になるのか。
微妙に失礼な書き方ですな。


んで、「行間を読む能力なんてそれこそバッチリだろうなって人」はたぶん私のことだと受け取っておくとしてだ(エラそうじゃな!)、「「女カテゴリ」だと途端に色眼鏡掛けちゃう思考回路の人」というのは、「理系女子ハァハァ」みたいな困った人なのか、「女だから共感されるんだろ。それにひきかえ(非モテ喪男、文系etc)男は‥‥」と思っている人なのか、男女の差異やジェンダー観点で見る人のことを言っているのか、どれなんだろう。
いずれにしても、理系女子自らが書く理系女子の取説について、読む側にも性の視点が持ち込まれるのは不自然なことではないと思う。

結婚披露宴で定番の「新婦の取扱説明書」は嫌いだけど、賢い人の書く取説ネタは面白いからどんどんウェルカム。
特別女性に限ったもんじゃなくても(むしろ)面白い「取説ネタ」はある。たとえば最近では
プログラマ男子取扱説明書 - WeBLoG
もちろんプログラマではないワタシにも面白く読めた。それと、ソッチ関連でいけば
Geekなぺーじ : 現場で遭遇するかも知れない、こんなプログラマ達
正しくは「取説」じゃなく「分類ネタ」だけど、これも「自分が所属しているカテゴリを分析する」って意味では十分「取説的ネタ」。このテのものまで入れればこれまで山ほどのネタがさんざん消費されてきてるはずなんだけどなあ。

読んだ。理系女子の書いたものほど、個人のメンタル面や屈折感があまり出ていない、実に理系「男子」っぽいクールな(←偏見)取説だと思った。プログラマGeekな人には男子が多いので、彼らの書く取説は比較的ニュートラルな感じになるのだろうなと。「ある種のキモさをパワーにネタ化させている」などと言っては失礼な感じである。感想としてはそんなとこ。

私が焦点化しているのは、「○○男子取扱説明書」と「○○女子取扱説明書」とは対称的にはならないということだ。tomo-moonさんが「結婚披露宴で定番の「新婦の取扱説明書」は嫌いだけど」とポロッと書いている、そこんとこなんじゃよ!私が前の記事で"逆の方向から"言っているのは。


しかし、普通に共感しているように見えたtomo-moonさんが、今「ネタ」を強調するのはなぜだろう。私の記事が、自分が共感した「理系女子取説」記事をメタ視点で見て別の角度から書いているのを不快に感じたから、(ネタなのに)「まじになっちゃってる」「不思議」な文章にしてしまおうとしているように見えるが、違うだろうか。批判するなら、そこじゃないと思うんだけどね。
取説を書くというふるまいをジェンダー分析されて、鬱陶しく感じる人がいるのは想像できる。しかし、女子が書く取説と男子が書くそれとの差異(という視点を提供したのは主に草さんだが)を前提として考えられることを書けば、ああいう展開にならないか? あれでは書き方が粗雑過ぎるという批判なら受ける。
私はカテゴライズを全否定はしないし、女子が自分の属するカテゴリーの「取扱説明書」を書くのは、「「女カテゴリ」だと途端に色眼鏡かけちゃう思考回路の人」を喜ばせるだけだからやめた方がいいとも言ってない。書きたい人は書けばいいじゃんね。
理系/文系、モテ/非モテ、大人/子供、西洋/東洋、東京/地方といったさまざまなカテゴリで人が考えるのは、一旦カテゴライズすることで見えてくることがあるからだと思う。それと同じように、男/女というカテゴリを前提としてみないと、わからないことや書けないことはある(今回の「理系女子」という言葉がまさにそれだ)。私はその視点で考えることが多いので、ひっかかりや興味を覚えれば何か書くというだけのことじゃよ。
いつかtomo-moonさんが「はてな女子取扱説明書」を書いてくれるのを、楽しみに待っておりまする。


以上、とにかく、怒らせないように、せいぜいがんばってみた!