「シネマの女は最後に微笑む」第60回は、フランスの若手女性監督の長編デビュー作『若い女』(レオノール・セライユ監督、2017)を取り上げてます。第70回のカンヌ国際映画祭で新人監督賞受賞。
ヒロイン役のレティシア・ドッシュが、すごく新鮮な感じです。最初は「うわぁ、ウザい女」と引きますが、だんだんと親近感が湧き、「この人、面白い。ずっと見ていたい」と思ってしまいます。
あまりにも自然に生き生きと役柄を演じていて、うっかりドキュメンタリーでも見ている気分になりますが、エッジの効いたカメラワークや色彩の鮮烈さにハッとすることしきり。
前振りで、「ソーシャル・ディスタンシング」と「ソーシャル・ディスタンス」の違いについて書いています。メディアではほぼ同じ意味として使われていますが、実は違うらしいんですね。
紛らわしいので、WHOが新しい言葉を提案したのですが、少なくとも日本では広まらなそうです。「ソーシャル・ディスタンス」がもう定着しちゃったし。
実は最初にコロナ関連の話題をもってくるのはもうやめようかと思っていましたが、今回かなりぴったりする側面が見えたので、またそれになりました。今現在の状況が、普段無視されたり隠されたりしているさまざまな出来事を、いかに浮き彫りにしているか‥‥ということなのだと思います。次回の前フリもコロナ関連になりそうです。