散々叩かれた倖田來未の「35歳を過ぎると羊水が腐る」発言に、テレビで西川史子がめちゃくちゃ怒っていて、そのキレっぷりを「自分の問題から目を逸らしている」と批判する「倖田來未、かわいそう」という記事があり、それに「西川史子、かわいそう（倖田來未関連）」という異論（主旨にはほぼ同意）が出、そこに西川批判者からコメントは寄せられたのに、批判者の元記事は削除されてしまった、という変なことが起こっている。
ブクマにあった魚拓http://s02.megalodon.jp/2008-0210-2227-58/d.hatena.ne.jp/eco1/20080210/p1で読めたが、コメント欄で礼と共に、「みなさん両エントリを読まれてバランス感覚をどうぞ養われてね」とまで書きながら、トラックバック機能も切り記事も削除って‥‥何があったのでしょう。気になる。*1
倖田発言については、「若いけど、中身はオバちゃん？」と思った。
既婚子持ちの中高年女性の中には、親戚や知り合いの若い人が結婚すると、「子どもは早いとこ作った方がいいよ」とか「若い時分に産んだ赤ちゃんの方がキレイだって言うわねぇ」（「羊水」発言に近い！）などとおせっかいを言う人が、たまにいる。
たぶん自分が若くして子どもを産んだので、同じことを勧めているのである。
倖田來未は自分のマネージャーの結婚に際しての「祝福のメッセージ」として件の発言をしたらしいが、「ああ、よくいるわ、こういうオバちゃん」と膝を打ってしまった。
オバちゃんは、「女は早いとこ結婚して子どもを産むが幸せ」と思っている。
オバちゃんは、他を貶めることで相手を持ち上げる。
オバちゃんは、基本的に善意の人である。
（ここでは「おばさん」ではなく、「オバちゃん」という字面から来る下世話感とアケスケ感を感じ取って頂きたい）
オジちゃんも時々無神経な発言をして叩かれるが、ここまでアレな物言いはできなかったりする。これはオバちゃん独特のものだ。
ここに「倖田來未＝オバちゃん説」を唱えたいと思います。もうとっくに誰かが唱えているかもしれませんが。
ネット（主に２ちゃんねる）では倖田來未叩きが非常に激しかったが、彼女の最近のアルバムの売り上げはトップだったらしいし、一般メディアはネットほどバッシングをしていない。
ワイドショーなど見ていると、「不用意な発言がここまで叩かれてコンサートもとりやめ、本人はさぞ落ち込んでいるだろう」的なムードさえある（沢尻エリカのケースと比較しているこちらの記事が興味深い）。
そこでヒールの登場である。
もう叩くのはこのあたりで‥‥のタイミングで、お茶の間のオバちゃん達には好かれていないだろう高飛車・高慢発言が売りの西川史子に例の調子で喋らせて、思わず「倖田來未、かわいそう」と感じさせ、「20代の若くて可愛い娘が、30代の必死で若作りのおばさんを怒らせるとこわいねぇ...」と、日頃30代独身キャリア女性を苦々しく思うオバちゃん達の望み通りの絵を作り、なんでここまで倖田発言がバッシングされたかはほじくらず、一方で憎まれ役の西川史子のキャラも際立たせ、テレビ的においしい場面を作ると。
そんだけのことではないか。
とは言っても、西川史子が完全にキャラを演じていただけで、本心から怒ってはいない、と見るのも不自然だと思うが、そこは番組を見てないので何とも言えない。
ただ「倖田來未、かわいそう」のえこまさんの書いている、
女（メス）は結局は男には甘いが、自分が気に入らない女には手加減がない。
しかも相手（敵）が自分よりも若く魅力的である場合、女（メス）個人のアイデンティティを賭けた嫉妬も本能的に入って来るから更にやっかいだ。
は、そういうことも往々にしてあるにせよ、今回の場合、視聴者にそう思わせたいテレビの戦略にまんまとハマってしまっているのでは‥‥という気はする（というか実際は、西川史子の方が年上だとは言え、本人は相手（敵）が自分よりも「魅力的」だとは思ってそうにないが）。
まとめるとこの話は、「20代の若くて可愛い娘が、30代の必死で若作りのおばさんを怒らせ」たのではないです。
「20代でオバちゃんな女が、30代のオバちゃん大嫌い女を怒らせた」の図です。
しかしポイントは、『負け犬の遠吠え』以来、後者がなにかとクローズアップされてきたが、意外と前者の方に近い人が多いのではないだろうか？ということだ。あの発言は肯定しなくても、根っこのメンタリティでは。ネット上では目立たなくても、世間では。
「日本人に一番多いのはヤンキーだ」との指摘をしていたのは、故・ナンシー関だったが、二番目に多いのは、オバちゃんだと思う（たぶんヤンキーともかなりの数が被ってる）。
オバちゃんな人は、年齢性別関係ない。あなたの隣にもいる。
