本が出ました

モテと純愛は両立するか?

純愛論です。私の初めての本になります。「〜か？」というタイトルはいい加減食傷気味という方もおられましょうが、無名ゆえにヒキ重視ということであえて選んだ光文社新書ノリ、とご了解下さい。東京方面では今日から、その他の地域でも来週末までには書店に並ぶ予定（定価1500円＋税）。以下、目次をご紹介します。

●純愛と任侠　　
●純愛と性欲　
●「社会の欲望」と「自分の欲望」　
●恋愛消費社会　
●若者の純愛とセックス　　
●おじさんと純愛「プロジェクトX」　
●純愛と女
●渡辺淳一の「淳愛」
●女性誌の純愛
●ブスに純愛は可能か
●純潔純愛『愛と死をみつめて』
●心中と『失楽園』
●韓国純愛ファンタジー『冬のソナタ』
●『世界の中心で、愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』
●劇場型純愛『電車男』
●純愛の終わり

「冬ソナ」の章の一部を除いて、全編ほぼ書き下ろしです。とりあげたい純愛物語はいろいろありましたが、近過去と最近の話題作に絞りました。
以前コメント欄でボーイズラブの漫画について教えて下さった方、その節はありがとうございました。残念ながら今回そちら関係まではフォローできませんでした。
その他、いろいろご協力下さった皆様に、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

自分で言うのもアレですが、面白いです。ちょっと前に『「性愛」格差論ー萌えとモテの間で』（斎藤環＋酒井順子／中公新書ラクレ）というのが出ましたが、あれより断然読ませると自負しております。
ただ、『失楽園』や『愛の流刑地』、「いま会い」や『電車男』に感動した人は、本を床に叩きつけたくなるかもしれません。渡辺淳一については前もここでいじりましたが、本書では相当いじり倒しました。

表紙は人気イラストレーター、ワカマツカオリさんの作品です。
帯の惹句は「純愛とは任侠である！」。
その下の宣伝文句は、「純愛は流行ではありません。それは、女の生き様です。渡辺淳一からぺ・ヨンジュン、「セカチュー」から「電車男」まで、古今東西の純愛現象を題材に、その真実の姿を鮮やかに切り出した革命的純愛論。すべての恋愛の道は、純愛の道に至るのです。」　担当の人も気合い入ってます。

書店で見かけましたら、是非手に取ってみて下さい。純愛に興味のある人にもあまりない人にも、「恋愛資本主義」を憂う人にもそうでない人にも、「負け犬」の人にも「勝ち犬」の人にも、「モテ」の人にも「非モテ」の人にもそんなもんどうでもいい人にも、一人でも多くの人に読まれることを願いながら、一年がかりで書き上げました渾身の処女作です。
どうぞよろしくお願い致します。

間違いのお詫び

ゲラの段階で何度か読み返しているにも関わらず、出てしまった間違いです。
p.14 l.4‥‥KGB→KCIA
p.79 l.2‥‥「ファッション」→「男うけファッション」
p.168最終行‥‥『純愛の精神史』→『純愛の精神誌』
p.234後から２行め‥‥ヴォガネット→ヴォネガット
p.242 l.10‥‥ 高値→高嶺
他に「絶体絶命」が「絶対絶命」となっているところがあります。申し訳ありません。

●追記（07/4/1）
本書に入れる予定だった「日本の純愛史」は、悪魔のような編集者によってバッサリ切られてしまいましたので、こちらにまとめて掲載しております。合わせてお楽しみ下さい。