学校

出題バトル

水と穴 前記事に引き続き、美大受験ネタでもう一本。 入試に出るモチーフというのは、大学、科によって様々である。石膏像、静物、人物、動物。日本画科は静物が多いようだ。モチーフ台の上に、ガラス容器や花や果物などがセットされている状態を描くのであ…

三月の兎

受験狂騒 春は木や草が芽吹き日差しが暖かくなって、何とはなしに心浮き立つ時期である。しかし受験生やその関係者にとっては、一喜一憂するシーズン。 大学卒業後から三十代の半ば頃まで、名古屋の美術系予備校K塾で実技の講師として働いていた期間、やはり…

楽しい共学時代

中学の屈辱 私の中学時代はジェンダーという言葉もまだない、70年代前半の昔である。テレビでは、スポ根ドラマや学園ドラマが人気だった時期。 学園ものでは、喧嘩が強いガサツな男子、秀才くん、か弱い美少女といった布陣に、可愛くて気の強い女子というも…

続・共学別学論争

男女平等という困難 女子校や女子大が「自由な世界」であった(こちらの記事参照)ということは、その分、社会がジェンダーバイアスに覆われているということである。 たとえば共学(社会に近い状態)では、男子がリーダー役になりやすい。共学の中学、高校…

共学別学論争

女子校のここがいい この間、男女共学・別学の議論をして目からウロコの体験をした。その時のやりとりを思い出して書いてみたいと思う。 相手のYさんは名古屋芸大のピアノ科出身で、ピアノの先生をしている二十代半ばの女性。中学、高校と女子校だったそうだ…

私のことはあなたがすべてわかってくれる

脱性器的快楽 それはアナルセックスのことではない。いや、「脱性器」だからそれも入るのかな? しかし"場所"が近過ぎるし性器的快楽の補助のような。どうなんだろ。 ‥‥のっけからそういう話ですみません。脱性器的快楽については、宮田さんの記事(07/11/23…

父と左翼

オールドレフト 「署名」ということで思い出したのは、高校の時の出来事である。正確には、それは連名の署名。ここ最近ネットで話題になっていた抗議文の最後に、書かれているようなものだ。 私は高校の時、学校内である抗議文に連名し、後から自分一人だけ…

家庭教師

学校系非正規雇用者 「交渉成立〜」と言いながら夫が帰ってきたのは、一ヶ月半ほど前のことである。 何の交渉かというと、大学受験生の家庭教師のバイトの報酬金額。ダメもとで希望のバイト料をふっかけてみたところすんなり受け入れられ、週一2時間で3万…

男子にはなれない ● 第九回 ● 群れる女

「喫茶店族」の横暴 私は三日に一度くらいの割合で、喫茶店に行く。仕事が休みの日は、必ず行くと言ってもいい。自分では買わないが読みたい雑誌や新聞に目を通すのが主な目的なので、その種類が豊富なところが、私にとっていい喫茶店である。 そしてもちろ…

男子にはなれない ● 第八回 ● 純潔の掟

シルバーリングの教え 「セックスはすばらしい!」 「セックスはすばらしい!」(唱和) いったいなにごとかとぼんやり眺めていたニュース画面を注視すると、壇上で一人の男(白人)が聖書を振りかざして叫んでおり、会場の少年少女(見たところ白人を中心と…

ヌードクロッキー

女の裸、男の裸 デザイン専門学校の授業で、なぜかヌード・クロッキーがある。 女性の裸を描くという西欧の長い美術の歴史は、ジェンダー的な観点からいろいろ問題も指摘されているが、それがそのまま日本の芸術教育にも受け継がれ、専門学校のカリキュラム…

究極の選択

「借金まみれのハンサム男と、裕福なブタ男、どっちが女を幸せにしてくれると思いますか?」 2000年秋に放映の月9ドラマ『やまとなでしこ』の、ヒロインのトホホなセリフである。「女を幸せにしてくれる」とは、言うまでもなく結婚相手として。彼女は、金持…

先生のお気に入り(続・伴奏者)

中学校の地雷 中学に入って最初の担任は、50がらみの金縁メガネをかけた音楽の女性教師だった。ちょっとしたことでヒステリックに怒り、一旦怒るとしばらくツンケンしているので、みんなビクビクしていた。 しかし早々に音楽方面に志望の決まっていた私は、…

伴奏者

音楽の時間 先日、ピアノレッスンのことを書いていたら、小学校の時の出来事を思い出したので、書いてみる。 小学校の先生というのは、基本的に全教科教えなくてはならないことになっている。人には得手不得手があるので、たまにどうしても音楽がダメで、他…

授業の攻防

専門学校・実技の場合 長い春休みが終わり新学期が始まって、ようやく仕事に慣れてきた。 学期の始まりは、いつも大変緊張する。お客さんの顔ぶれが一新するからだ。3カ所5クラス週12コマの授業が前期にあるが、一週間でトータルだいたい200人(多い年で25…