映画

『ヘドウィグ&ザ・アングリーインチ』を通して、「女」について考える

ForbesJAPANに好評連載中の映画コラム「シネマの女は最後に微笑む」第17回が公開されています。 女とは一体何なのか? 「自分のかたち」を探すトランスジェンダーの旅 | ForbesJAPAN 先日の、お茶の水女子大のトランスジェンダー受け入れのニュースを枕に、…

不法移民問題に揺れる今こそ観るべき『フローズン・リバー』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

ForbesJAPANに好評連載中の映画コラム「シネマの女は最後に微笑む」第16回が公開されています。 不法行為への追いやられる貧困の中の、ささやかな絆と倫理 | ForbesJAPAN フローズン・リバー [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2010/12/10メディア: DVD…

プリンセスもののセルフパロディ『魔法にかけられて』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

昨夜は東海道新幹線で恐ろしい事件がありましたが、後続の便に乗っていた関係で巻き込まれるかたちになり、夜中というか朝方の3時半にやっと家に辿り着いた大野です。一日遅れで連載「シネマの女は最後にほほえむ」更新のお知らせを。 ディズニーのミュージ…

ジュリア・ロバーツの真骨頂を再確認、『エリン・ブロコビッチ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載「シネマの女は最後に微笑む」第14回。ジュリア・ロバーツが数々の主演女優賞に輝いた『エリン・ブロコビッチ』(スティーブン・ソダーバーグ監督、2000)を取り上げてます。学歴もキャリアもない女性が企業の不正…

職場のセクハラ問題を丁寧に描いた佳作『スタンドアップ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載「シネマの女は最後に微笑む」第13回。ここのところずっと問題になっていた財務省元事務次官のセクハラ疑惑を枕に、シャーリーズ・セロン主演の『スタンドアップ』(2005)を取り上げました。 「皆と同じように働…

アートをめぐる権力関係と搾取‥‥『ビッグ・アイズ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新されました)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載「シネマの女は最後に微笑む」、第12回がアップされています。今回取り上げた映画は、実話を描いたティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』(2014)。アラーキーのモデルだったKaoRiさんの告発の件を枕に書き起こ…

妊娠・出産・子育て映画のリアリティ、『理想の出産』(「シネマの女は最後に微笑む」更新されました)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載「シネマの女は最後に微笑む」、第11回がアップされています。 妊娠、出産、子育て 翻弄される心身とパートナー関係の行方 | ForbesJAPAN 今回は、実話を元にした2012年のフランス映画『理想の出産』(原題はUN H…

『紙の月』の主人公と総理夫人の共通点について考えた(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載コラム第10回、今回は宮沢りえ主演でかなり話題になった『紙の月』(吉田大八監督、2014)を取り上げました。 森友問題で渦中の人である総理夫人、安倍昭恵氏についての短い考察を冒頭に置いています。 「ありが…

ピカピカの青春映画の中の大人の女たち・・・『ローラーガールズ・ダイアリー』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」、第9回が公開されています。 闘いながら少女を先頭へと押し上げる、タフな女たちの気概 | ForbesJAPAN ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオ…

自分のためだけに生きるか他人と共に生きるかを問う『マーサの幸せレシピ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」、第八回が公開されています。 完璧主義で人間嫌いな女性シェフが、試行錯誤の果てに見つけた人生 | ForbesJAPAN マーサの幸せレシピ [DVD]出版社/メーカー: 東芝デジタルフロ…

ケイト・ブランシェットの「手負いの雌ライオン」ぶりに胸がシクシクとなる『ニュースの真相』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする「シネマの女は最後に微笑む」第7回が公開されてます。 真実とデマの間で抗った女性ジャーナリストの最後のプライド | ForbesJAPAN 今回取り上げたのは、2016年のアメリカ映画『ニュースの真相』。2004年の米大統領…

キャリア優先の娘と専業主婦の母の葛藤を描いた『母の眠り』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする「シネマの女は最後に微笑む」第6回が公開されてます。 今回取り上げたのは、1998年のアメリカ映画『母の眠り』。メリル・ストリープとレニー・ゼルウィガーが親子を演じています。 介護と離職、葛藤を通じて見直さ…

仕事と生活ののっぴきならなさを描いた『サンドラの週末』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする「シネマの女は最後に微笑む」第6回、更新されました。 今回取り上げたのはベルギー・フランス・イタリア合作映画『サンドラの週末』(2014)。マリオン・コティヤールがアカデミー賞主演女優賞にノミネート、他数々…

レズビアン・カップルの闘いを描いた『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(連載コラム更新のお知らせ)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)、更新されました。実話が元になっている作品、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(2015、ピーター・ソレット監督)を取り上げていま…

『マダム・イン・ニューヨーク』に見る主婦の学び(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第三回がアップされています。 「学べなかった女」を勇気付ける、自尊心回復のストーリー | ForbesJAPAN 「学び」をテーマに、最近のインド…

今改めて観る『告発の行方』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第二回がアップされています。 世界に広がる「MeToo」、映画から考える性暴力への「あるべき救済の姿」とは*1 今回取り上げたのは、『告発…

「シネマの女は最後に微笑む」/Forbes JAPAN新連載のお知らせ

今月より、Forbes JAPANで映画コラムの連載が始まりました。題して「シネマの女は最後に微笑む」。 就業や転職、少子・晩婚化、教育、医療・介護、性差別問題など、現代女性が体験するテーマを映画作品の中から抽出し、時事的話題に絡めて紹介していきます。…

ジム・ジャームッシュ監督作品『パターソン』を観て

『パターソン』 Photo by MARY CYBULSKI ©2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved. プロではなくても現在、たくさんの人が仕事をしながら絵を描き、バンドや劇団に参加し、詩歌や小説を書いている。 『パターソン』は、そんな名もなき芸術家たちの一人であろ…

ジェンダー平等社会のエロの位相、あるいは欲望と配慮の関係

男性向けポルノや少年誌のエロ表現関連の話題について、twitterでずっと呟いていましたが、今の時点での自分の考察(仮説)をざっとまとめました。昨日、連ツイしたものに大幅加筆しています。 ● 女性への暴力的な性行為が快楽的に描かれるヘテロ男性向けポ…

『黒水仙』鑑賞メモ

連日むちゃくちゃお暑うございますね。Twitterで呟き過ぎてブログがお留守になるという典型的なパターンを辿っております大野です。 かなり前の呟きですが、メモとしてそのまま置いておきます。『黒水仙』(1947、イギリス映画)、なかなか面白かったです。 …

ダブルヒロインの華麗な弁証法‥‥韓国映画『お嬢さん』感想

(C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED 原作『荊の城』(サラ・ウォーターズ)を太平洋戦争前夜の朝鮮に移し替えた設定の大胆さや、エログロ、フェティッシュの様式美や、二人の女優のベッドシーンの「過激さ」(R18指定)や…

世代も価値観も社会的立場も違うけれど‥‥(『グッドナイト・ムーン』)

サイゾーウーマンの連載映画レビュー「親子でもなく姉妹でもなく」最終回は、『グッドナイト・ムーン』(クリス・コロンバス監督、1998)を取り上げました。 既婚/独身、専業主婦/仕事女の分断と希望を描く『グッドナイトムーン』 グッドナイト・ムーン [D…

女が愛するのは女––––連載映画レビュー更新

「親子でもなく姉妹でもなく」第11回目に取り上げるのは、2014年の日本映画『小さいおうち』(山田洋次監督)。以前にここで上げたレビュー記事に加筆し、まとめ直しました。戦前パートの時子とタキの関係性に絞って書いています。 女が本当に好きなのは男で…

何かを始めるのに歳は関係ない––––映画レビュー更新(『マルタのやさしい刺繍』)

老女の夢を二人三脚でかなえる年下の女――年齢を越えた関係を描く『マルタのやさしい刺繍』 タイトルからほっこり系かと思いきや、あちこちに皮肉も効いた結構骨太の作品です。 女性下着制作の高度な技術を持っている老女が、ランジェリーショップを開こうと…

連載更新のお知らせ二つ

後期の始まり第一講目から、授業の時間を間違えるという大ポカをして落ち込んでいる大野です。初対面の100人の学生さんに平身低頭‥‥。おまいさん何十年この仕事してんだよ。 webの二つの連載が更新されていますので、お知らせします。 大人の女の「友だち地…

トークでの質疑「今なぜダブルヒロインなのか?」

トーク:ダブルヒロインの「距離」 - 前半の記録 トーク:ダブルヒロインの「距離」 - 後半の記録 トークの後で質問が幾つか出ました。その中で、トークの中で話したことをもう一度丁寧にお話するかたちになったものは、ここでは省きます。以下は、一人の女…

トーク:ダブルヒロインの「距離」 - 後半の記録

トーク:ダブルヒロインの「距離」 - 前半の記録 17日に静岡市のスノドカフェ七間町で行われたトークイベントの、私の喋りの続きです。 後半のトーク 後半は、小津安二郎の作品を例にとって考えます。 小津安二郎と言えば、戦後の作品、たとえば「東京物語」…

トーク:ダブルヒロインの「距離」 - 前半の記録

去る17日に、静岡市のオルタナティヴスペース「スノドカフェ七間町」で行ったトークイベント「ダブルヒロインの「距離」」の、私の喋りの記録です。 当日録音はしていませんでしたが*1、家で原稿を作成し、時間内に話しきれるかどうか何度かリハーサルをして…

トーク<ダブルヒロインの「距離」>のお知らせ

※9/17までこの記事がトップに来ます。 ※9/19追記/無事終了しました。地元の皆様も遠くからお越し下った皆様も、どうもありがとうございました! (ちらし・表) メディアひろば_vol.2 トーク:「ダブルヒロインの「距離」 近年、従来のヒロイン物語に替わっ…

連載映画レビュー第八回は、2014年の韓国映画『私の少女』

サイゾーウーマンに連載中の『親子でもなく姉妹でもなく』、第八回がアップされています。 リスキーだとわかっても、少女を愛する決断をする女――『私の少女』の“災厄としての愛” 『私の少女』(チョン・ジュリ監督、2014)。この連載では初めて取り上げた韓…