2006-01-01から1年間の記事一覧

お知らせ

中日新聞読書欄 明日9日(日)の中日新聞と東京新聞の朝刊読書欄「この本この人」に、5月末刊行されました拙書『モテと純愛は両立するか?』についてのインタビュー記事が掲載されます。著者近影付きです(記事は500字程度)。東海地区と東京方面の皆様、…

テレビとジェンダー論

「女がムカつく女」 テレビの情報を、全部信用している人はいないだろう。ニュースにしてもバラエティにしても、そこには常に、何らかのバイアスがかかっているのではないかと見るのが普通だ。 しかしテレビを見ている時、四六時中そんなふうに身構えている…

スーツへの視線

賛否両論 『メガネ男子』に続いて『スーツ男子』なんて本も出て、男子のビジュアルへの女子の嗜好が注目されるようになった昨今。 男のスーツ姿がいいというのは、かつて酒井順子も熱く語っていた。メガネもスーツもある種の拘束性や、型を感じさせる。型の…

恋愛なんか。

人それぞれなんですが 恋愛の話になると、そこに性欲があるかどうかで意見が分かれることがたまにある。 私は当事者が自覚するにせよ無自覚にせよ、性欲の介在しない恋愛感情はないという立場。もし仮に「恋人とはセックスなんてしたくない」「そんな"野蛮"…

「男は中身」じゃない

細眉男子 普通の男が眉を剃り始めたのはいつ頃からだったか忘れたが、98年の冬期長野オリンピックの時、ジャンプ団体で優勝した日本人チームの船木選手がしっかり手入れした細眉で、スポーツマンだが今時のおしゃれな男子とニュースで言われていたような気が…

「『性愛』格差論 モテと萌えの間で」を読んで

「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ)作者: 斎藤環,酒井順子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/05/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (117件) を見る 欲求不満な対談 ネット上でもいくつかの感想や書評が…

本が出ました

モテと純愛は両立するか?作者: 大野左紀子出版社/メーカー: 夏目書房発売日: 2006/05/01メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 307回この商品を含むブログ (21件) を見る 純愛論です。私の初めての本になります。「〜か?」というタイトルはいい加減食傷気味…

スポーツのできる男子

スポーツカースト制 先日電話で知人の20代後半の男性と、例のエビちゃん系や文化系について話しているうち男子の話になり、 「むしろ男子の方がモテるモテないの階層格差がはっきりしていてキツいですよ」 と言われた。 彼によると、常にモテの上位にいるの…

聖子よ腰を振れ

「愛ルケ」の珍事 最初に、松田聖子とは全然関係ない話題から。 渡辺淳一原作の東宝映画『愛の流刑地』の配役がやっと決まったとの発表があったのは、先月16日だった。 最初主人公役に決定していた役所広司@失楽園も、相手の女優がいつまでたっても決まらな…

「男」という病、「女」という病

「性的消費」と「現実的消費」 ネット上には「旬の話題」というものがあって、いつまでも古い話題で引っ張っているのは無粋とされるらしい。文化系女子論についても、もういい加減この辺で打ち止め‥‥というムードが、ちょっと前からブログ界隈に漂っている。…

(文化系)女子の憂鬱

反発する文化系・しないエビちゃん系 このところ話題になっていた「文化系女子」について、あちこちのブログを巡回して感じたことを書いてみる。 主にダ・ヴィンチの記事(男目線からの文化系女子イメージ)に依拠したと思われる、自称非モテ(男性)の側か…

リバイバル産業

エヴァンゲリオン ちょっと前から夫が「えばえば」言っているので何のことかと思ったら、パチンコのCR新世紀エヴァンゲリオンのことだった。 数ヶ月前久しぶりにパチンコ屋に立ち寄り、なんとなくエヴァの台に座り千円で数万円儲けてから三日を置かず通いつ…

アート系著作権モンダイ

ミッキーマウスと白雪姫 ドブネズミがネズミに因縁つけた(?)件についての諸反応 - Ohnoblog 正直なことを言えば、私は美術作家をやっていた頃に、「流用」をしたことがある。それもディズニー。しかもそのうち一個はミッキーマウス(!) ミッキーの頭に…

ドブネズミがネズミに因縁つけた(?)件についての諸反応

現代美術作家の村上隆が、作品のキャラクターである「DOB君」にそっくりのデザインを子ども服メーカーのナルミヤが無断で使用したとして訴え、和解金数千万円(4千万とかいう話)を獲得したというニュースが6日ほど前あった。 (前略)私が生きている現代…

コミュニケーションの下手な女

アート系女子 コミュニケーション(恋愛篇)で記事を書いたら、20人近くにブックマークされていた(http://b.hatena.ne.jp/entry/www.absoluteweb.jp/ohno/?date=20060422)。私の記事の中では多い方。 それで改めてブログを巡回してみたら、皆さん(おもに…

会話男

脱非モテの鍵 コミュニケーション能力があるかないかが、何よりも重要なことのように言われるようになったのはいつ頃からだろうか。 「コミュニケーション」とは意思疎通のことだから、世捨て人でない限り、何人もある程度は欠かせない能力ではある。この言…

12 歳の父性

『誰も知らない』の明君萌え 一昨年いろいろな賞を取り、カンヌでは最優秀主演男優賞まで取って話題になった映画だから、今頃見てるのはちょっと遅いが、昨日、来週の授業で使うドラマのビデオを借りに行ってふと思い出し、『誰も知らない』を借りてきて見た…

『酒と泪と男と女』

こないだテレビをつけたら、橋幸夫が河島英五を歌っていた。 ♪いいか〜男は〜生意気ぐらいが丁度いい いいか〜男は〜大きい夢を持て〜 「ふん。「男」を「女」にして歌ってみれ」 と、私はどうでもいいツッコミを入れた。そしたら夫が言った。 「俺、男と女…

『私という病』を読む

「誰か、私に欲情して」 中村うさぎと小倉千加子の対談本『幸福論』(岩波書店)と、中村うさぎ著『私という病』(新潮社)を、一気に読んだ。 また中村うさぎですか。それ以外の本は読んどらんのか。いや読んでないことはないが、私の関心が「女」と「性」…

編集者

先生 こないだの金曜日、東京で三人の書籍編集者の人に順番に会った。 一日に三人の編集者。別に、急に売れっ子エッセイストになったのではない。去年会社を替わられた旧知の編集者さんへのご挨拶と、最近メールを下さった編集者さんにお会いするのと、今執…

出題バトル

水と穴 前記事に引き続き、美大受験ネタでもう一本。 入試に出るモチーフというのは、大学、科によって様々である。石膏像、静物、人物、動物。日本画科は静物が多いようだ。モチーフ台の上に、ガラス容器や花や果物などがセットされている状態を描くのであ…

三月の兎

受験狂騒 春は木や草が芽吹き日差しが暖かくなって、何とはなしに心浮き立つ時期である。しかし受験生やその関係者にとっては、一喜一憂するシーズン。 大学卒業後から三十代の半ば頃まで、名古屋の美術系予備校K塾で実技の講師として働いていた期間、やはり…

楽しい共学時代

中学の屈辱 私の中学時代はジェンダーという言葉もまだない、70年代前半の昔である。テレビでは、スポ根ドラマや学園ドラマが人気だった時期。 学園ものでは、喧嘩が強いガサツな男子、秀才くん、か弱い美少女といった布陣に、可愛くて気の強い女子というも…

続・共学別学論争

男女平等という困難 女子校や女子大が「自由な世界」であった(こちらの記事参照)ということは、その分、社会がジェンダーバイアスに覆われているということである。 たとえば共学(社会に近い状態)では、男子がリーダー役になりやすい。共学の中学、高校…

共学別学論争

女子校のここがいい この間、男女共学・別学の議論をして目からウロコの体験をした。その時のやりとりを思い出して書いてみたいと思う。 相手のYさんは名古屋芸大のピアノ科出身で、ピアノの先生をしている二十代半ばの女性。中学、高校と女子校だったそうだ…

三万円くれたら

時々行く地元の和食屋さんで、たまに会うおじさんがいる。40代半ばから後半くらい。まあ私と同世代といったところ。いつも一人で来てお酒飲んでいるか、出勤前の女の人と同伴で来ている。 こないだ夫とその店のカウンターで飲んでいたら、おじさんが少年を二…

私のことはあなたがすべてわかってくれる

脱性器的快楽 それはアナルセックスのことではない。いや、「脱性器」だからそれも入るのかな? しかし"場所"が近過ぎるし性器的快楽の補助のような。どうなんだろ。 ‥‥のっけからそういう話ですみません。脱性器的快楽については、宮田さんの記事(07/11/23…

全員女子世界の正念場(再掲)

●お断り 以下の文章は、2004年の暮れに書いたものです。晶文社ワンダーランドのweb連載『男子にはなれない』の第二回(05/2)として掲載されました(今そこでは読めません)が、「紀子さま御懐妊」報道で思い出したので、ここに再掲しておきます。 国民的フ…

父と左翼

オールドレフト 「署名」ということで思い出したのは、高校の時の出来事である。正確には、それは連名の署名。ここ最近ネットで話題になっていた抗議文の最後に、書かれているようなものだ。 私は高校の時、学校内である抗議文に連名し、後から自分一人だけ…

「抗議」をめぐって

変な議論 今日、このブログのコメント欄で展開されていた「議論」を読んで、なんとなく脱力してしまった。 そこは例の「上野千鶴子vs東京都」事件の抗議署名を呼びかけているブログの一つで、抗議サイトでリンクされていたので発見したところ。たぶん若手の…