Ohnoblog

「男→女」

仕事の帰り、車を運転して家に向かっている途中の話。 私の前に、荷台に小さめのクレーンを搭載したトラックが走っていた。 信号で止まった時、そのクレーンの後ろの部分に「男→女」とペンキで書いてあるのが読めた。 一辺15センチくらいの白い四角の中に青…

性的視線は遍在する

最近、数カ所のブログで展開されている、「非モテ」は他者の性的視線を恐怖するという話について。 私の把握している議論の流れは、 非モテ女性が見えないのはなぜ?(Ohnoblog) 非モテが晒される性的視線(烏蛇ノート) 非モテが晒される性的視点(2)(烏蛇…

草実スサ氏の「整理」から

10/20の記事非モテ女が見えないのはなぜ?について、「こころ世代のテンノーゲーム」でumeten氏にある部分を抜粋され批判を受けたので反論していたら、「草実スサ日記」で議論のズレが整理されていた。 で、草実氏はumeten氏に向けて、自分であれば(私に対…

じゃあどうしろと?

1 「男は女を顔で選んでる」と言うと、「女だって男を顔で選んでる」と言われる。 「女の給料は相対的に低い」と言うと、「男だって低い人はいっぱいいる」と言われる。 「女は「女」を仮装しているの」と言うと、「男だって「男」を仮装している」と言われ…

非モテ女が見えないのはなぜ?

議論をめぐって考えたこと 10/19のコメント欄で紹介した、男は私憤を無理矢理公憤に替えるというエントリを読んで、じゃあ非モテ男性も私憤を公憤(に近いもの)に変えたいのではないかと思った。そういう感情がどこかにあってカミングアウトして、「同志」…

『小悪魔な女になる方法』はなぜ売れたのか

悪女、熟練者、天然 最近、「小悪魔」流行りである。 「小悪魔」でネット検索すると三百万件以上もヒットし、「小悪魔な女になって男心をドウタラしよう」という内容のサイトが目白押しである。書店のモテ本コーナーでも、2年ほど前から「小悪魔」という言…

二人で歩く

最近、飲酒運転の取り締まりが異常に厳しい。近場でちょっと一杯飲んで車で帰るということは、できなくなった。 警察の方も巧妙で、飲み屋の近くで張っていて客が出てきたところをつかまえるだけでなく、出た客を追跡して行き次の飲み屋に入ったのも確認し、…

ケモノの季節

触ってもいいわよ 涼しくなってきたので、そろそろケモノの季節である。ケモノが街に出て来る。 ケモノは大抵メスで、オスをおびき寄せて食うのである。ケモノと見ると、フラフラと吸い寄せられていくオスもいる。オスのケダモノに捕獲されるのを待っている…

「女」を擬態する

「オカマ」のヘアショー 「今回、モデルは全員オカマなの。見に来てね」と美容師に言われたのは、かなり前のことだった。 彼女は名古屋の美容師で、高校時代からの友人。毎年ヘア・ショーを開いているが、「美容師がモデルの頭弄ってるのなんか、すぐ見飽き…

雑誌『KING』創刊号を読む

「日本男子再生」計画 KING (キング) 2006年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/13メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (11件) を見る9月に入ってからよく駅の構内などに、黒地に白抜きの文字で「日本男子」と…

Dr.佐藤の「愛されてお金持ちになる」本を分析する(後編)

「ビッグな野望」男をつかまえろ ポジティブな「口ぐせ」によって素晴らしい恋を掴む第一歩は、Dr.佐藤によれば「世界一のいい女」になることである。 「世界一のいい女」になるためには、「こうなりたい自分」を思いつく限りリストアップし、それを毎日声に…

Dr.佐藤の「愛されてお金持ちになる」本を分析する(前編)

ピンクコーナーの実情 去る5月末、夏目書房という出版社から『モテと純愛は両立するか?』という本を出した。数年前の純愛ブームを受けて、純愛とは何か?について論じ、ブームとなった純愛本やドラマに詳細なツッコミを入れたエッセイ集である。帯には「純…

テレビを見ていた夫は言った

ぺ ペ・ヨンジュンが、白金にレストランをプロデュースしたそうだ。そのCM制作の模様が放映されていた。シロガネーゼを全員ファンにするつもりだろう。前から思っていたが、やり手である。 テレビを見ていた夫は言った。 「なんか俺とは方向性が違うな」 は…

「私って猫系?」

猫というセルフイメージ このブログにコメントを下さった人のハンドルネームを、これまで見ていて気がついたことだが、猫(ネコ、ねこ、neko)のつく人の割合が比較的多い。それもみんな女性だ。 猫はもっとも身近な動物だから、猫好きも多いということなん…

智子さんのメール

多くの人がそうだと思うが、私のパソコンではセフレ募集とかエッチ系のメールが自動的に「迷惑メール」ボックスに放り込まれる。すぐにかなりの量になるので、定期的にまとめてゴミ箱行きにしないといけない。 中身を開けて読むことはほとんどないが、たまに…

おばあさんの体

筋肉痛 五日ほど前のこと、朝起きたら体の約70%の筋肉がヒステリーを起こしていた。腕と首以外の筋肉が強度の筋肉痛。 特にかがむ、座る、階段を降りるという所作の時は、「あたー、あたたたたた‥‥」というケンシロウのようなセリフ(声は弱々しい)を発し…

続・テレビとジェンダー論(後日談)

内容証明郵便とアポなし訪問 女性向け情報番組の特集にジェンダー論講師という肩書きでコメントを寄せたのに、まったく不備な紹介をされたので頭に来て抗議したら、制作スタッフに「ちゃんと紹介する予定だったけど、ナマなので時間不足になっちゃった、ごめ…

専業主夫願望を叶えるために

家事万能ホスト 『バックラッシュ!』を非難する(深夜のシマネコBlog)……「女性が社会進出したために仕事を奪われた「弱者」の男は困窮している。誰か僕をお嫁にもらってくれ」という主張。 上のブログ主は、フェミニズムが「男女平等」を唱えるなら、社会…

お知らせ

中日新聞読書欄 明日9日(日)の中日新聞と東京新聞の朝刊読書欄「この本この人」に、5月末刊行されました拙書『モテと純愛は両立するか?』についてのインタビュー記事が掲載されます。著者近影付きです(記事は500字程度)。東海地区と東京方面の皆様、…

テレビとジェンダー論

「女がムカつく女」 テレビの情報を、全部信用している人はいないだろう。ニュースにしてもバラエティにしても、そこには常に、何らかのバイアスがかかっているのではないかと見るのが普通だ。 しかしテレビを見ている時、四六時中そんなふうに身構えている…

スーツへの視線

賛否両論 『メガネ男子』に続いて『スーツ男子』なんて本も出て、男子のビジュアルへの女子の嗜好が注目されるようになった昨今。 男のスーツ姿がいいというのは、かつて酒井順子も熱く語っていた。メガネもスーツもある種の拘束性や、型を感じさせる。型の…

恋愛なんか。

人それぞれなんですが 恋愛の話になると、そこに性欲があるかどうかで意見が分かれることがたまにある。 私は当事者が自覚するにせよ無自覚にせよ、性欲の介在しない恋愛感情はないという立場。もし仮に「恋人とはセックスなんてしたくない」「そんな"野蛮"…

「男は中身」じゃない

細眉男子 普通の男が眉を剃り始めたのはいつ頃からだったか忘れたが、98年の冬期長野オリンピックの時、ジャンプ団体で優勝した日本人チームの船木選手がしっかり手入れした細眉で、スポーツマンだが今時のおしゃれな男子とニュースで言われていたような気が…

「『性愛』格差論 モテと萌えの間で」を読んで

「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ)作者: 斎藤環,酒井順子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/05/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (117件) を見る 欲求不満な対談 ネット上でもいくつかの感想や書評が…

本が出ました

モテと純愛は両立するか?作者: 大野左紀子出版社/メーカー: 夏目書房発売日: 2006/05/01メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 307回この商品を含むブログ (21件) を見る 純愛論です。私の初めての本になります。「〜か?」というタイトルはいい加減食傷気味…

スポーツのできる男子

スポーツカースト制 先日電話で知人の20代後半の男性と、例のエビちゃん系や文化系について話しているうち男子の話になり、 「むしろ男子の方がモテるモテないの階層格差がはっきりしていてキツいですよ」 と言われた。 彼によると、常にモテの上位にいるの…

聖子よ腰を振れ

「愛ルケ」の珍事 最初に、松田聖子とは全然関係ない話題から。 渡辺淳一原作の東宝映画『愛の流刑地』の配役がやっと決まったとの発表があったのは、先月16日だった。 最初主人公役に決定していた役所広司@失楽園も、相手の女優がいつまでたっても決まらな…

「男」という病、「女」という病

「性的消費」と「現実的消費」 ネット上には「旬の話題」というものがあって、いつまでも古い話題で引っ張っているのは無粋とされるらしい。文化系女子論についても、もういい加減この辺で打ち止め‥‥というムードが、ちょっと前からブログ界隈に漂っている。…

(文化系)女子の憂鬱

反発する文化系・しないエビちゃん系 このところ話題になっていた「文化系女子」について、あちこちのブログを巡回して感じたことを書いてみる。 主にダ・ヴィンチの記事(男目線からの文化系女子イメージ)に依拠したと思われる、自称非モテ(男性)の側か…

リバイバル産業

エヴァンゲリオン ちょっと前から夫が「えばえば」言っているので何のことかと思ったら、パチンコのCR新世紀エヴァンゲリオンのことだった。 数ヶ月前久しぶりにパチンコ屋に立ち寄り、なんとなくエヴァの台に座り千円で数万円儲けてから三日を置かず通いつ…